求めるのは復縁か離縁か。別れさせ工作に正解はない

パートナーの不倫をどうにか解消したい、という依頼に対して、別れさせ屋はどのような工作をするのでしょうか。不倫の場合、工作の一つのゴールというか、指標として「離婚」というものがあります。要は、依頼者の希望として「パートナーと離婚したい」という願望があり、依頼はそれを叶えるためになされるわけです。

また、失敗した時に相手がストーカー化したりすることも考えられます。そうなると、なされる工作もそれなりにそれを意識したものになるわけです。例えば、ある依頼者の夫は、よく通っていたキャバクラの女性と半同棲関係になっていました。しかも相手には子供がいて、悪いことに相手の連れ子ではなくて夫の子だと言うことが調査員によって判明してしまいました。

もともとは、離婚するための依頼ではなくて、復縁のための依頼だったそうですが、この事実を聞いてから依頼内容が変更されます。依頼の目的が「復縁」から「離縁」となるわけです。さらに、このケースの場合、依頼者の気持ちが「自分が離婚したい」というよりも不倫されたくやしさからか「夫の不倫関係を破たんさせたい」という方に傾いてしまいます。

それを考慮した結果、業者は男性工作員をお店の送り込むことで、不倫相手のキャバクラ嬢に接近、相手との関係を徐々に崩していきます。しかしながら、もともと復縁希望だった依頼者の気持ちが、工作が進むごとに再び変わってきます。夫がよりを戻してくれるなら、と考えるようになり、最終的にはこの事例は復縁と言う結果で丸く収まりました。

子どもができてしまった以上、離婚という結果の方が長い目で見たら幸福だったかもしれませんが、そこは個人の希望もありますから明確な正解はありません。離婚に話をもっていけば、依頼者は夫に逆恨みされる可能性もあるわけですから、工作としては無難にことを収めたと言えるでしょう。求める結論として何が良いのか。そこをはっきりさせることが別れさせ屋の工作では非常に重要になりますから、依頼者としてはそこを見失わないようにしたいものです。